舞台オタはマイルで遠征する

Wicked観劇遠征のために陸マイラーになった舞台オタク。ウィキッドの映画をアメリカの公開初日に見たくて妄想中。

【6】苫ちゃんなのに岩城クリスみたい オペラ座の怪人静岡8月25日

8月25日オペラ座の怪人 静岡 夜公演 感想


キャスト変更から3週間め。そろそろ苫田クリスは最後かも知れないと覚悟を決めての観劇でした。結果としてはもう1週間居てくれたのですが、次もあると思っているとだらだら見てしまうのでこれが最初で最後だと思って臨むべきだと思わされた平成最後の夏です。
今回は私を舞台沼に引きずりこんだ友人2人と一緒でした。ひとりは名古屋オペラ座通ってた四季オタ、もうひとりは最近は回数減らしてるけど以前は毎月観劇してたオタクです。四季は私が誘って年に1度くらい見てます。

人間らしさを感じる苫田クリス

ここ3週間で一番人間らしく新演出みを感じる苫田クリスでした。表情がいつもより豊かで生き生きしている。ファントムと天使ではなく人間として認識している。触れられた時に特にそう感じました。

うまく言えないけど「岩城クリス」を苫ちゃんが演じている感じ。表情も岩城さんみたいなところがいくつもあって混乱した。岩城さんへの指導なのか取り入れようとしただけなのかわからないけど私のイメージする苫ちゃんではなかった。
とにかく先週と演技を変えてきたと思ったんです、演技に幅があるタイプだけど本質から変えてきた。
夢の中を彷徨っていたのが細い道だけど自分の足で歩けているように感じた。

今まで見た中で一番自己犠牲的なクリスだった。私が我慢すればいい。旧演出のお人形さんクリスではなく意思がある普通の女の子で、ファントムを捕まえるために舞台に上がるように言われて「いや!」って言えるけど、最後は折れてしまう。最後は哀れみで手を差し伸べた。

同行した友達がクリスが指輪返すのひどいって言ってたけどちがうんですよ!
「私はあなたと一緒にはいられないけどこれを見て思い出してね」みたいな気持ちを込めてるんだよとオペラ座オタが解説してました。私も基本はそうだと思うんだけど今日はちょっとだけ違った。
これから先もファントムが生きていくのを知ってて(特に今日は最初から人間だという認識ができてて)辛くても生きることを願って指輪を返したんだと思う。
死なないで、どうか生きてってメッセージが強かった。

演者と観客がいて初めて舞台になると思うんです。台本は変わらなくても同じ演技にはならないし観客が変わるから劇場内の空気が違う。毎日が新しい。
今日の私には「生きて」って意味に取れたけど先週の私が今日の客席にいたらきっと別のことを思う。私も舞台も生きてるからそれでいい。
今日の私とクリスはファントムに生きて欲しかった。
「さいごにファントムはどこへ行くんですか?」
「みんなの頭の中にいるんだよ」
ってバクステの深見さんの言葉を思い出してた。
(バクステレポはこちら→ 【バックステージツアーレポ】オペラ座の怪人静岡公演8月9日 - 舞台オタはマイルで遠征する

そういえばまたちょっと痩せました?フェイスラインがスッキリしててメイクも違うので脳が苫クリスって認識できない。数年後に顔アップにされた写真見たとき悩むと思う。他クリスよりも背が低いから立ち姿ならすぐわかるんだけど。

カーテンコールでドレスの裾を踏んだのかバランス崩してクリスから苫田亜沙子に戻った。恥ずかしがりながらちょっと自棄っぽい顔して他のキャスト手招きしたのがほんと天使すぎました。

秋本マダムジリーを初めて見た

感情的なマダムジリーなんですね。メグのお母さんらしさが強かった。ほっそりした見た目もだけどメグとのやりとりが母娘でした。弱い人の味方をするけど力が足りなかったタイプかな。
早水マダムはずっしり構えていて黒幕っぽさがあったけど秋本マダムはファントムに惑わされてるというか振り回されている感じ。友達に言わせれば小物感ある。早水さんだとドンファンの練習してるときじっと空を見つめてるときがあって恐ろしかった。そういう感じはない。杖で床を叩くのももっと強くしていいかなと思った。

今日もカーラがかわいい

いつもは一定した演技をしている河村カーラ。珍しく支配人のオフィスの投げキスが雑になってた。うまく座れなかったのかな?そんなところも可愛い。何しても許せる。すき。ピアンジと増田アンドレくらいフィルターかかってるから全てが愛おしい。珍しいところ見れて良かった。

おわりに

こうすればファントムはクリスと幸せになれたんじゃないかって妄想することはあっても、ファントムの未来を思うことはなかったかもしれない。
今の自分に欲しい言葉や生きるヒントを見つけに舞台に通ってるんだと思わされる回だった。

他の公演の動きを見るとどうやら佐野さんひとりでファントムを回し切るようなので、一番最初に抜けるであろう苫ちゃんを追いかけてしまう。でもそれじゃさのとまオペラ座を見たと言えないのかなと反省した。運良く次の週も苫ちゃんだったのでファントムをじっくり見れたのでよかったです。

友達も舞台に慣れてたし周りもいい感じにマナー良かったので観劇に集中できた。時間が経つのがはやくてあっという間に屋上で、あれれっと思ってたらPoint of No Returnだった。環境は大事だと痛感しました。

文句のつけようのない素晴らしい公演でした。
私の平成最後の夏は終わった。一区切りついたと思わせる舞台でした。
どうもありがとうございました。
毎週同じ舞台を見に通うのは初めてで、しかもほぼ同じキャスト。でも感想は毎回違って、本当に一期一会なんだなと感じました。
これからの人生で週一で舞台に通うことはおそらくないと思います。
やりきったと言えるいい夏になりました。

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